現代は、食生活に関して、ありとあらゆる情報が溢れています。栄養、安全、価格、料理、嗜好・味覚、新製品、レシピ、食材、料理器具に関するものまで、その情報は多岐にわたっています。

 しかし、どの情報が本当に有用なのでしょうか?私たちに本当に必要な情報を提供できる人、それが食生活アドバイザーです。

 今まで、食生活全般を語れる資格というのはありませんでした。栄養士は栄養のことを専門に勉強しますが、食品の流通やマナー、フードビジネスの経営などについてはその範囲外です。調理師もまた同様です。

 しかしこれからは、それぞれの独立した資格があればよい、といった時代ではなくなってきました。「食生活全般」について、トータルで語ることの出来る資格が求められているのです。

 どこでどのように食品が生産・加工され、流通され、販売あるいは提供されて、それらをどのようにすれば、一番おいしく食べることが出来るのか。「食べること」が人の生活に、どのような効果や影響を与えるのか。さらには、その一連の流れの中で生まれる残飯や包装紙などの廃棄物を極力少なくするには、どうすればよいのか。また出てしまった廃棄物は、どうすれば環境問題を起こさないですむのか。

 このように「食生活」を総合的に把握し語れるのが、食生活アドバイザーです。それでは食生活アドバイザーの役割を具体的に見てみましょう。

役割1:生活そのものをチェックし、一緒に考えます

健康的な生活を送れるように生活そのものを見直します。

 医師は、患者の健康状態を検診・治療し、正常な状態に戻すのが仕事です。食生活アドバイザーの役割もこれに似ていて、どのような生活をしているのかをチェックし、より健康的な生活が送れるように一緒になって考えていくことが重要な役割のひとつです。

 食品や栄養、病気についての知識など、食生活に関して総合的に語れるのはもちろんのこと、ただアドバイスをするのにとどまらず、ともに考えていくのが食生活アドバイスなのです。

役割2:心と体の健康維持と増進をします

最大の使命は、健康の維持・増進

 食生活アドバイザーの最大の使命は、なんといっても健康を維持・増進していけるようにアドバイスすることです。しかし、ひと口に「健康」といっても、ただ単に「病気をしていない」「ケガをしていない」といった状態を健康というわけではありません。体になんの異常もなくて健康な状態であっても、心が病んでいては本当に健康とはいえません。

 最近、少年が凶悪犯罪を起こすケースが増え、体は健康で一人前でも、心がどこか病んでいると感じることがあります。もちろんこれは極端な例ですが、普段からの生活でも、悩み事や考え事があると食欲がなくなるとか、胃が痛くなるとか、逆にむさぼるようにお菓子などを食べてしまうとかいう経験は、誰にでもあるのではないですか。拒食症・過食症といった摂食障害は、心の隙間を食べ物で埋めようとするまさに心の病です。

 このような人に、「カルシウムを摂ると、あまりイライラしないですみますよ」「ストレスでビタミンCが消耗されるから、ビタミンCを摂った方がいいですよ」といったアドバイスをするのは悪いことではありませんが、本質的な解決策にはなっていません。

心と体の両方が健全であってはじめて健康と言えます

 健康とは心と体の両方が健全な状態をいいます。体だけ健康でも心が病んでいれば、体だって調子が悪くなってしまいます。逆に体の具合が悪いと、精神的にもまいってしまいます。また、たとえ重い病気であっても、治癒後の自分を信じて前向きに生きようとしているのなら、健康という事が出来るのではないでしょうか。

 食生活アドバイザーは、食事の面から適切なアドバイスをするのはもちろんのこと、その人の生活態度、ひいては精神面の健康についても考えられるようでなければなりません。

 心身ともに健康で前向きに生きることが出来るようにサポートするのが食生活アドバイザーなのです。

役割3:本当に必要な情報を正確に伝えます

食に関する情報が溢れています

 スーパーマーケットに行くと、「無農薬栽培」「有機栽培」という表示をよく見かけます。この表示があると、なんとなく安全で安心という感覚を持ちますが、何がどう違うのかわかりますか。「賞味期限」や「品質保持期限」という表示の違いも、あらためて聞かれるとよくわからないのではないでしょうか。

 情報技術の進歩に伴って、私たちの食に関する情報も飛躍的に増えました。「スナック菓子やファーストフードは体に悪い」「スナック菓子などが、キレやすい子供を作る原因」といった、もっともらしい情報も数多くあります。しかし、果てして本当にそのとおりなのでしょうか。

情報に流されず、的確な情報提供を

 食生活アドバイザーは、氾濫する情報に流されることなく、的確な情報を選別し、検証し、そしてわかりやすい形に加工して提供できなければなりません。そのためには、栄養や食品の知識はもちろんのこと、世の中の仕組みを広く深く知ることが必須です。

 さらに、マーケットや消費者が求めている食情報や生活情報を企業などにフィードバックし、商品開発や商品改善などに反映させるという使命もあります。

役割4:「生き方上手」をバックアップします

自ら問題を発見し、考え、行動できるようにお手伝いします。

 どんなに食生活アドバイザーが色々とアドバイスしても、その本人が本気になって考え、行動しなければ何も変わりません。

 食生活アドバイザーは、ただ改善点をアドバイスするのではなく、その本心自身が問題を発見し、考え、行動できるようになるまでをお手伝いします。自分をしっかり持って生きている人は、素敵な人生を送っているのが、こちらにも伝わってくるものです。そのような人を見ると「生き方上手だな」と感じます。

 自らのライフスタイル(食生活)を気づいていけるように、必要な情報を的確に伝え、一人ひとりが「生き方上手」になるためにバックアップするのが、食生活アドバイザーなのです。